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師弟の命脈

2010年11月04日 22:26

最近 仕事が忙しかったので 事務所を抜け出し あたしの最大の楽しみ
神保町の古本屋巡りに行く
いつもは古本を買った後はランチョンに行って自分の買った古本を眺めニヤニヤするんですが
今回からはボンビバンでえっちゃんに自慢しながら古本でニヤニヤする事に
えっちゃんに古本自慢していたら話はあたしのデザイナーなりたての頃に・・・
えっちゃんがそれを書きなさいと言うので忘れないうちに書いておきます


二浪して20歳で北海道から東京に出て来た俺は新聞奨学生で2年の契約をして
デザイン学校に入学した
朝の3時に起き朝刊を配り、学校へ行き、帰って来てすぐに夕刊を4時から配達する
空いた時間は集金業務。やたらと体力があったのでつらくもなく
酔っぱらった勢いで配達していたぐらいだった
しかし、半年経って、こんな学校にいたんじゃだめだ
俺はプロのデザイナーになる為に来たんだと思い、デザイン会社にかたっぱしから電話をしまくる
資料で、航空、宇宙関連のデザイン会社を見つけ、その内容に虜になる
場所も赤坂と六本木の間「乃木坂」!
「ここでデザイナーになる!」の勢いでした
面接の電話をするも受付の女性に速攻で断れる

そうりゃそうです
働ける時間は、新聞奨学生の都合で朝の9時から3時30分まで
しかもまだ学校に入って半年もしていない
それでもしつこく電話した
「あんたに話してるんじゃない、社長と話をさせろ!」と
一週間それをやったら社長さんが出てくれた
「君か、しつこく電話してきているのは
話をとりあえず聞くから明日来なさい」
俺「いえ、今から行きます」

一時間後、そのプロダクションの社長と合う
「きみは何が出来るんだ?」
「教えて貰えるなら、それ以上に全て出来ます」
「学校はどうする?」
「採用してくれるならこの足で退学届けを出してきます」
「採用したとしても働ける時間が少ないから給料は出ないよ」
「お金はいりません。新聞奨学生で月に10万はこずかいありますので」
「・・・いつから来る?」
「明日からあなたの弟子になります!」
「じゃ、明日から私の弟子になりなさい!」
そんなやりとりの末、俺は才能も無いのにデザイナーに
あの頃は入社と言うより「弟子入り 」だったからね

そのプロダクションに入ってから俺より年上の何人ものデザイナー達が
入って来たが、生き残っていたのは俺を入れて4人だった

給料は新聞奨学生の契約が終わるまで月2万円だった
その1年と半年後、奨学生の契約が終わり明日からフルで
働けると言う日、師匠である社長が「これから下北沢へ行くぞ」
ついて行くと下北沢の不動産屋に連れて行かれ
「お前は今すんでるアパートを出て、この街に住みなさい」
「社長、借りる金がありませんよ」
すると俺の師匠は通帳を出した
名義は俺の名前。150万ぐらいあった
なんの事やら判らずにいると
「お前が俺の弟子になった時からお前に渡している分を差し引いて
毎月貯金していた金だ お前の金だ これでマンションを借りろ
明日からここに住め そしてもっと勉強しろ!お前が私の一番弟子だ」

その日、人生で初めて泣きました
優しくて厳しくて凛とした大人に人生で初めて逢った


師匠 不肖のあなたの一番弟子は今 この街でなんとかやっています
あの頃の乃木坂や六本木 青山あたり以上に楽しい街です
俺はここで骨を埋めますよ
師匠の才能は受け継ぐことは出来ないにしても
いつも思います あなたのような人間になれているかを


<銀嶺>

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コメント

  1. 鹿ブラザー | URL | -

    例の社長のお話ですね…
    何度【2度目…】聞いても胸にぐっときますね…

    出会いで人は強くなれる…
    ではなく、銀嶺さんのストレートな気持ちが社長の心を動かしたのですね…

    出会いは自分で開くもの…


    偉そうに済みません…


    この間楽しかったです…、ご馳走さまでした…
    ( ´艸`)


     

  2. えっちゃん | URL | yA6oB2.Y

    Re: 師弟の命脈

    ありがとう..

    人は 出会うべき時に 出会うべき人と 出会うのでしょうね
    月々の時給分を、あなた名義の通帳作って振り込んでいて下さったとは、なんと素敵な人でしょう!

     

  3. MZ夫人 | URL | -

    何度読んでもいいお話です(T_T)←2回目

    てか、銀嶺さん、すげーw

  4. 銀嶺 | URL | JalddpaA

    Re: 師弟の命脈

    >鹿ブラザー

    楽しかったねえ テンション上げすぎました・・・

    >えっちゃん

    昨日は2回も会えましたねえ
    また古本屋巡りする時には必ず行きま~す

    >MZ夫人

    2回も(T_T)なんて 今度は笑い話でも書きますね

  5. MZ夫人 | URL | -

    次のお話期待してますv-66


    show me 歌うの忘れましたぁw

  6. チャび | URL | -

    Re: 師弟の命脈

    はじめまして
    あまりにいいお話でしたのでコメントさせていただきました。

    私はカメラが趣味なのですが、友人から「谷中根津千駄木」を進められまして
    土地勘がなかったのでネットで検索したところ銀猫さんのブログにたどり着きました。
    読みながらご自身の話をしているなんて思いもせず・・
    こんな素敵な出会いだあるんだ、そして銀猫さんのような行動力がある方がいるんだと
    ただただ感動してしまいました。

    本当にステキなお話をありがとうございます!!
    偶然にも銀猫さんのブログにたどり着いて ラッキーでしたっ

  7. 銀嶺 | URL | JalddpaA

    Re: 師弟の命脈

    >チャび さん
    ご返事遅れて申し訳ありません!
    「谷中根津千駄木」撮影にはなかなか良いところですよ!
    未だに井戸がいくつもありますからそれを探して撮影するのも良いかなと
    これからもご贔屓に!

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